リローディング(6)

雷管を付けたら、次は火薬を入れます。 火薬の計量には大きく分けて、重量を計る器具(天秤や電子スケール)と体積で計量する器具(パウダー・メジャー = powder measure)があり、後者の方が短時間で多くの計量ができますが、どの位の体積でどの位の重量かという事は、あらかじめ調べてから器具をセットします。 私はパウダー・メジャーはまだ持っていないので、電子スケールで重量を計っています。リローディング関係では、重さや長さは射撃の本場であるアメリカで用いられているポンドやインチ系統の単位で与えられている場合が殆どで、弾頭や火薬の重量はグレイン(grain = 1/7000ポンド = 0.0648グラム、1ポンドは453.6グラム)単位で計りますから、電子スケールもグレイン表示のあちらの製品を使っています。

0.1グレインまで計れる、非常にデリケートな機器ですから、水平な台の上で使う、衝撃を与えない、使う30分位前に機器をセットし電源を入れて温度と電流が安定してから使う、風の当たる場所で使わない、などの点に注意しないと本来の精度を発揮できません。

薬莢はローディング・ブロック(loading block)という台に立てておき、パウダー・ファンネル(powder funnel)を薬莢のマウスにはめて、計量した火薬を入れます。

火薬(無煙火薬)はいろいろな種類がありますが、使う薬莢と弾頭重量によって、どれを使うかは数種類に絞られます。 写真は、IMR社のものと、ウィンチェスター社のもののうち、308Winに適したもので、それぞれ1ポンド入ってます。 粒の形は前者がシャープペンシルの芯を切断したような円筒形、後者がボール・パウダーといって、名前は球形を連想させるものの実際には碁石のような形です。 化学的にも前者がニトロセルロースを主体にしたシングル・ベース、後者がニトロセルロースとニトログリセリンを混ぜたダブル・ベースで燃焼特性に違いがありますが、私はこのへんの詳しい知識がないので省略します。 我々が選択において考えるのは、燃焼スピードの相対的な違いと、火薬を薬莢に入れた際の空白部分の多さ(少ないほうが命中精度上良い)です。 なお、銘柄の違う複数の火薬を混ぜて使う事はありません。 一連の作業では火気厳禁ですから、煙草を吸う人は作業場から離れた場所で吸いましょう。

どの火薬をどの位入れるかは、使う弾頭と出したい初速によって、違ってきます。 各弾頭メーカーは、自社の製品について詳しいデータを載せたマニュアルを出していますが、その会社のすべての口径のすべての弾頭を網羅していますから、ほとんどのユーザーには、必要なのはマニュアルの中のほんの数ページという事になります。 そこで、特定の薬莢に絞って、代表的な弾頭メーカーの弾頭とそれらに対する火薬の種類と重量と初速のデータを載せたハンドブックが出版されています。 ただ、それらの数値はある代表的な条件(長さとツイスト)の銃身を用いた場合の数値ですから、それと違う銃身を用いる場合には、おおざっぱな指標程度にしかならず、正確な値を知りたければ、自分でクロノグラフ(chrono graph)という、発射時の弾頭の初速を測定する器具を用いて、射撃場で計らねばなりません。 また、銃身の長さとツイストおよび弾頭の形と重量が、マニュアルと一致していても、弾頭表面に摩擦を軽減する2硫化モリブデンがコートされている場合には、マニュアルの数値はあまり当てになりません(モリブデン・コートをした弾頭を作っているメーカーは、同じ重量と形でコートをしていない従来の弾頭も出しているのが普通ですが、マニュアルには従来の弾頭のデータしか、まだ見た事がありません)。

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