照準(1)

上の写真は固定標的を撃つライフル射撃競技において射手が照準に使うマイクロサイト(micro sight)です。 銃の比較的後ろ側に取り付けられるので、リアサイト(rear sight)とも呼ばれます。 また、アメリカなどでは大口径ライフル射撃において、少し形状の違う金属製のものを使う場合が多く、メタリックサイト(metallic sight)やアイアンサイト(iron sight)と呼ばれています。

左側の円筒形をしたアイ・ピースにピンホール状の小さな穴があいていて、ここから標的を狙います。 レンズは付いていません。 新品の銃には、最も単純な、穴だけがあいた円盤(ピープ・ディスク = peep disk)が付属していますが、写真のような穴の直径を自由に替えたり、偏向フィルターやカラーフィルターの付いたアイピースに付け替えて、さまざまな光線状態に対応できるようにするのが普通です。 銃の先端には下に述べるフロントサイト(front sight)があり、通常は黒いリングが付いています。 このリングの中に標的の黒点がきれいに同心円状に見える状態で引き金を引いて、弾が10点に当たるのが、正しく照準がセットされている状態です。 もし、このように撃っても弾が標的のど真ん中に当たらない場合は、マイクロサイトの上と右側に突き出たノブを回して調整します(アイ・ピースがかすかに上下左右に移動します)。 アイ・ピースだけが動き、銃の先端のフロントサイトはそのままですから、照準線(マイクロサイトの穴とフロントサイトの中心を結ぶ線)と銃身との角度が変わることになります。 写真のマイクロサイトの場合、ノブを 1目盛り動かすと、この角度が 1/6 MOA(1 Minute Of Angle = 角度の1分、1分は1度の1/60)変わります。 この角度の変化は例えば100m先では約5ミリの着弾点の移動になります。 上のノブを時計回りに回すと、着弾点は下に移動し、右のノブを時計回りに回すと、着弾点は左に移動します(逆方向に回せば、着弾点は逆方向に移動します)。

これは、上に述べたフロントサイトです。 左側の黒い部分は直径を連続的に変えられるリングで、別売りです。 新品の銃では、本体の円筒の上半分にある切れ込みから金属のリングを差し込む方式になっています。

なお、フロントサイトにはリングの他、ポストサイトといって縦の細い棒状のものもあります。 棒の幅は標的の黒点の見かけの直径とほぼ同じで、黒点が棒に接するか、わずかに浮いている状態が、照準の合った状態というわけです(ライフル銃と違ってピストル射撃ではポストが使われます)。 上の図でリングとポストによる照準の違いを示しました(標的を赤丸で示してあります)。

この写真は、フロントサイトを後ろ(射手の側)から見たものです。 リングが中空に浮いたように見えますが、実際には透明なプラスチックに取り付けられています。左右の細い棒は銃の左右の傾き具合を見るためのもので(安定した据銃のために銃を少し傾ける場合が多いですが、その場合、傾ける角度が変わると着弾点も変わるので、このような指標となる棒や水準器などを用います)、メーカーによっては付いていません。

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