照準(3)

大口径ライフルを所持して悩んだのが、レンズのような光学系を用いないマイクロサイトとスコープの使い分けです。 公式の競技ではレンズを用いないマイクロサイトしか使えませんが、それ以外で撃つ場合にはスコープを使った射撃も楽しみたいものです。

しかし、ここで小さな問題が生じます。 というのは、ライフル射撃競技の世界におけるマイクロサイトは、アンシュッツ社(Anschutz)などドイツ製のメーカーのエアライフルやスモールボアライフルで採用されている、幅11ミリ程のレール状のベースに装着するようになっており、ライフルスコープ用のベースには装着できません。 そのため、マイクロサイトとスコープを使い分けるには、その度に銃に着けたベースも交換しなければならないのですが、スコープをベースからはずして再度装着するだけでも若干の照準の狂いが生じる上に、ベースまで付け替えるのでは狂いがますます増えてしまいますし作業自体も少々面倒です。

私の場合、スコープを装着するベースはウィーバータイプ(Weaver)の物を使っているので、ウィーバーベースに装着できるマイクロサイトがあれば万々歳なものの、そういう製品は当時ありませんでした。 しばらくは、ベースごと交換することを余儀なくされていましたが、ある時カタログを見ていたら、装着できるベースが数タイプサポートされているマイクロサイトがCentra社から販売されたのを知り、ウィーバーベース用のを試してみました(なお、光学系を用いないマイクロサイトは、国やメーカーによってリアサイト(rear sight)、メタリックサイト(metalic sight)、アイアンサイト(iron sight)などいろいろな呼称があります)。

最初にまいったのが、0.1ミリにも満たないと思われる、ほんのわずかの幅の差で手持ちの銃に取り付けてあるウィーバーベースに装着できないことでした。 どちらの製品が規格のサイズからずれていたのかは不明ですが、幸いマイクロサイトはベースに取り付ける部分がアルミ製なので、金属用のヤスリで少し慎重に削るだけで問題なく解決しました。 上の写真は斜め下から撮ったものですが、左の銀色の部分がヤスリで削った箇所です。

次は実射ですが、問題点が2つ。
1つ目は、この製品が長距離射撃用であるため、元々長距離射撃用に作られた私のウィーバーベースでは、上下調節で一番下まで下げてようやく300mの標的に照準が合うということです。 これは、銃身の先端側のフロントの照準を取り付けるベースの高さ、使用する弾薬の初速も関係してくるので一概には言えませんが、私の銃に取り付けたNightForce製の長距離用のウィーバーベース(高さ12ミリ)と、フロント用のベース(高さ9ミリ)、初速2500fpsの弾の組み合わせの場合、300mではギリギリ照準が合うものの100mでは無理です。 フロント側の高さがもう少しあれば100mでも大丈夫でしょうが、まあ、競技では300mしか撃たない私にとっては許容の範囲内です。

2つ目は、問題点というより注意点ですが、上下左右の着弾の調整用のノブの回転方向が通常のマイクロサイトとは逆です。 したがって、着弾点を上に移動させる際には上下調整用のノブを時計方向に回し、着弾点を右に移動させる際には左右調整用のノブを時計方向に回します。

以上の点に留意すれば、私と同様の悩みを持っていた方には救いの道具となるでしょう。

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